更新日:20061026
好きなもの001〜010
001
レイン・トゥリー・クロウ『レイン・トゥリー・クロウ』
元ジャパンのメンバー、デヴィッド・シルヴィアン、ミック・カーン、スティーヴ・ジャンセン、リチャード・バルビエリの4人に、マイケル・ブルックが参加して創り上げたたアルバム。ジャパン再結成と話題を呼んだが、ジャパンとしてではなく、新しい1回限りのユニットしてのもの。それが彼ららしい。
何度も即興演奏を繰り返し、その演奏の録音データを取捨選択し、再構築した名盤。私にとっては最高の1枚。派手さやポップさはないが、心に沁み入るような貴重な作品。
発売は1991年春。初回盤は、黒い紙ケース仕様。現在はリマスター盤が発売されている。


002
『池田満寿夫 愛のありか』
池田満寿夫の著作がほとんど絶版・品切れの今、池田の絵画、文章を佐藤陽子がまとめたこの一冊は非常に貴重な内容のものだ。今の日本に岡本太郎よりも重要な人物、それが池田満寿夫だ。


003
ジャパン『果てしなき反抗』
デヴィッド・シルヴィアンの在籍していたバンド・ジャパンのファースト。ジャパン後期とはかけ離れた音世界、そしてデヴィッド本人は抹消したい過去の遺物、しかし、ファンキーだったり、パンクだったり、そして後期ジャパンを彷彿とさせるエッセンスが聴き取れたり、叫びまくるようなデヴィッドのヴォーカルが…と、いろいろ考えさせる初期の名盤。特にラスト「テレヴィジョン」は最高。この時期の彼らにしかなし得ない、そんな名曲だ。彼らはアルバムを発表するたびに音世界を進化・深化させ解散に至る。孤高という言葉がぴったりになって来たデヴィッドは、最も敬愛するミュージシャンだ。


004
ムーディー・ブルース『ザ・ベスト・オブ・ムーディー・ブルース』
初めて聴いたムーディー・ブルース。選曲のせいか、プログレっていうよりポップソングって感じが強い。サイモン&ガーファンクルやビートルズ、キング・クリムゾンなどの60年代・70年代のメロディ、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークなどの80年代のメロディを彷彿とさせるのが凄く不思議な感じ。少し軽い感じ。


005
メセニー・メルドー『メセニー・メルドー』
パット・メセニー&ブラッド・メルドーによる、ベテラン・ジャズ・ギタリストと若手ピアニストの夢の競演。静と動が交錯し、ギターとピアノが語り合い煽り合う名盤。心地よい覚醒を聴く者に与える新しいジャズのカタチ。


006
井上陽水『GOLDEN BEST』
井上陽水の名曲が詰まったベスト。結局、私には特に初期の名曲が良い。アルバムとしては『氷の世界』。「帰れない二人」「氷の世界」、もっと初期の「傘がない」、後半の「最後のニュース」。恐ろしいくらいの名曲。『氷の世界』がまた聴きたくなる。


007
ピンク・フロイド『神秘 』
狂気や炎に至る過渡期の作品。1曲目からタイトルナンバー「神秘」までが最高の流れかも。不協和音がばりばりだけれど臨界点ぎりぎりで聴かせられるのが、フロイドのテクニックか。特に「神秘」が秀逸。


008
井上陽水『氷の世界』
井上陽水の最高傑作。フォークというジャンルではくくれない怪物的な名盤。特に「帰れない二人」が最高の名曲。


009
ピンク・フロイド『原子心母』
狂気、炎、動物たちのコンセプト・統一感・充実度は欠けるが、しかし、良くできたアルバム。タイトル曲のシンフォニックさと実験的サウンドがジャスト・フィットした名盤。ヒプノシスのジャケット・デザインも秀逸だがサウンドも秀逸。じっくり聴きたいアルバム。


010
リキッド・テンション・エクスペリメント『リキッド・テンション・エクスペリメント』
トニー・レヴィンしか知らないのだけれど、このテンションの高さは凄いの一言。キング・クリムゾンのベースとドラムのテンションにピンク・フロイドのキーボード・センスが加わり、プログレッシブ・ハード・ロック・フュージョンという怒濤のジャンルが顕在した感じ。特にラストのインプロによる「スリー・ミニット・ウォーニング」はハイ・テンションの怒濤のクライマックスが延々と続く怪物的名曲。ただただ唖然とそのアンサンブルを堪能するしかできない名盤といっていい。1曲目「パラダイム・シフト」もハイ・スピードで衝撃的なサウンド。きっとこのメンツのこの時期にしかなし得ない貴重な名盤だろう。